アトピー性皮膚炎は「かゆみ」を伴い慢性に経過する皮膚炎「湿疹」です。
良くなったり悪くなったりを繰り返し、多くの方がアトピー素因をもっています。
(アトピー素因とは家族にアトピー性皮膚炎の人がいる、喘息や鼻炎の既往があるなどです。)

アトピー性皮膚炎の湿疹の特徴として
◎赤みがある
◎左右対称にできることが多い
◎皮がむける・ささくれだつ
◎徐々に硬くなって盛り上がる
◎じゅくじゅくし、引っかくと液体が出る
◎おでこ・目・口・耳の周りや、首・わき・手足の関節の内側に出やすい
などがあります。

アトピー性皮膚炎の原因には、アレルギーになりやすい体質やバリア機能が低下している皮膚状態などの「体質的な要因」と、アレルギー症状を起こす物質や皮膚への外部刺激など「環境的な要因」があります。

治療としてはステロイドの外用薬を使用し、炎症を抑える事と皮膚のバリア機能を高めるスキンケアがメインとなります。
慢性の病気ですが適切な治療を行えば良い状態で保つことができます。

かぶれのことを正式には「接触皮膚炎」といいます。
刺激物質などの外部刺激が皮膚に接触することによって起きる皮膚炎の一種で、ほとんどがアレルギーで起こります。

かぶれが起きる原因として特定の植物や金属を始め、外用剤や化粧品などがあります。
触れてから数日後に症状が出ますが、今まで大丈夫だったものが合わなくなることも多いです。
皮膚にかゆみが出るほか、ヒリつく、赤くなる、ぶつぶつが出るなどの症状がみられます。

まず原因を除去することが大切です。治療はステロイドの外用を行います。
当院ではパッチテストもおこなっておりますので、気なる際はご相談下さい。

帯状疱疹とは、身体の左右どちらか一方に、刺すような痛みと、赤い斑点・水ぶくれが帯状にあらわれる病気です。
帯状疱疹は、身体の中に潜んでいた 水ぼうそうウイルス(水痘・帯状ヘルペスウイルス)によって起こります。
水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。

はじめて水痘・帯状ヘルペスウイルスに感染したときは、水ぼうそうとして発症します。
水ぼうそうが治ったあとも、ウイルスは神経節(神経の根元)に潜んでいて、加齢やストレス、過労などが引き金となって免疫力が低下すると、潜んでいたウイルスが再び活動を始め、帯状疱疹として発症します。

帯状疱疹は、他の人に帯状疱疹としてうつることはありませんが、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児などに、水ぼうそうとしてうつる場合があります。(基本的には接触感染です)

抗ウイルス剤の内服、鎮痛薬、外用薬で治療を行います。
重症の場合は入院することもあります。
発症数日以内に治療を開始することが望ましいです。
治療が遅れたり、ご高齢の方、皮膚症状や痛みが強い場合は帯状疱疹後神経痛を生じやすく、
数年痛みに悩むこともあります。

当院では帯状疱疹の予防接種を行なっております。
予防接種対象年齢は50歳以上の方です。帯状疱疹は80歳までに3人に1人がかかる病気です。
50歳から発症率が高くなり、神経痛も約2割の方で残ります。お値段は8500円(税別)で行なっております。
お気軽にご相談ください。

やけどは熱による皮膚や粘膜の外傷で、皮膚に高温のものが接すると生じます。
火以外でも、劇薬や40～55度程度の低温のものでもやけどになることがあります。

やけどはその深さによってI度熱傷からIII度熱傷に分類されます。
I度熱傷は、やけどをした部位に赤みがある状態のやけどを言います(表皮熱傷)。
II度熱傷はみずぶくれができるやけどです。
II度熱傷のうち浅いものを浅達性II度熱傷と言い、治療後1-2週間で治ります。
浅達性II度熱傷よりも深い深達性II度熱傷の場合は、治療に1ヶ月以上かかり、キズあとやひきつれが残る場合があります。
III度熱傷では基本的に入院が必要になります。

いぼも水いぼも子供に多い皮膚病です。
どちらもウイルス感染する点は似ていますが、いぼと水いぼは原因となるウイルスが異なり、治療も異なります。

いぼの治療は液体窒素を用いた冷凍凝固療法を行います。
症状に応じてヨクイニンの内服やモノクロロ酢酸の外用を行います。

水いぼは自然に治る病気です。
しかし、感染が拡大したり、掻き傷からとびひになったりする可能性があります。
保育所や学校によってはプールに入れないこともあります。
治療を希望される方には当院では麻酔のテープを使用し痛みなく水いぼ取りをおこなっております。

いぼや水いぼは小さな傷から皮膚に感染します。
予防するには、手足や肘膝、髭剃りあとなどの肌荒れに対するスキンケアが大切です。

皮膚腫瘍はほくろ・アザ・いぼといった皮膚表面にできるものから、皮膚の下にできる固まり状のものまであります。
原因となる細胞には様々なものがあり、悪性のものもあります。

ほくろの癌(悪性黒色腫)が有名ですが、他にもボーエン病や有棘細胞癌、基底細胞癌、パジェット病などがあります。

色や形、大きさなどの見た目やエコー検査、ダーモスコピー検査で診断をしぼり、手術で切除し病理組織検査で確定診断を行います。レーザーや液体窒素で治療が可能なものもあります。

キズには様々な種類があり、"切り傷"や"すり傷"などがあります。
切り傷の場合、表面の表皮だけが切れた場合と、表皮の下の真皮が切れた場合、
皮膚全層がきれた場合で治療が変わります。

表皮だけの傷の場合、薬や医療用テープで治療を行います。
真皮や皮膚全層が切れた場合は、縫合やその他の治療を検討します。
すり傷の場合は転んだ場合にできることが多いので、
キズに異物がないかを観察し、あれば異物の除去を行います。
※キズに砂やアスファルトなどが入ると、膿みやすかったりキズあとを残しやすいので注意が必要です。

その後、薬を塗布して治療します。

ケロイドは、傷が治る過程において炎症が持続することにより傷痕が肥厚してできる疾患だと考えられています。
体質やできやすい部位(胸・肩など)において真皮層に至る傷が治る過程でできることがあります。
耳垂ケロイドなど切除可能なものもありますが、基本的にはステロイドの注射やテープ、
圧迫療法による保存的加療を行います。

下肢静脈瘤とは、足の静脈(血管)が太く浮いているものをいいます。
下肢静脈瘤の症状として、足がむくむ、だるい、重い、痛むなどの症状がよくでます。
足がつる、いわゆる「こむら返り」もおこりやすくなります。

多くの静脈瘤は、血流の逆流を防ぐ弁が壊れて発症します。
弁が正常に働かないと下腿に血液が溜まり、その結果、静脈は拡張し、太く浮いた状態に上記の症状が起こります。

下肢静脈瘤の治療として保存的加療として弾性ストッキング(20-30mmHg)、
硬化療法、瘤切除術、血管内焼灼術等を行います。

白斑(尋常性白斑)とは皮膚の色素細胞が何らかの原因で減少・消失する後天性の病気です。
色素細胞は紫外線から皮膚を守るためにメラニン色素をつくりますが、その減少、消失により皮膚の色が白くなります。

ステロイド外用薬や紫外線の照射で治療を行います。
当院ではエキシマレーザーを導入しております。(保険適応です。)

円形に頭髪が単発で脱毛する症状が基本ですが、多発したり頭部全体に広がったり、まつげや脇毛など全身の毛が抜ける場合もあります。

円形脱毛症の脱毛部では、成長期の毛包が異常なリンパ球の攻撃を受けて壊されるため脱毛してしまいます。
自己免疫の病気と考えられています。

円形脱毛症の治療として、ステロイド外用や局所注射、局所免疫療法(DPCP)、紫外線の照射(エキシマレーザー)などがあります。急速に進行している場合はステロイドパルスが効果的です。
(ステロイドパルス治療は入院が必要となるため関連病院へ紹介となります。)